.webp)


工業高校を卒業し、CADの基礎は学んでいたものの、実務は未知の状態で入社した豊田さん。先輩の図面を真似することから始め、現場で職人さんに「なんで配管をこんなとこに通すんや」と言われたことが転機になった。紙の上だけでは見えなかった「施工しやすい設計」という視点を得た豊田さんにその歩みを聞いた。
Q:まず、入社のきっかけを教えてください。
豊田:高校の部活の顧問の先生に「この会社が向いてるんじゃないか」と勧められたのがきっかけです。性格的に合うだろうということで。元々ものづくりに興味があって、工業高校でCADも触っていたので、その経験を活かせるかなと思って入社を決めました。ただ、実際に入ってみると、学校で習ったこととはまた違う部分も多くて。現場を見ながら覚えていくことがほとんどでしたね。
Q:現在の仕事内容を教えてください。
豊田:設計部に所属しています。今6人のチームで、同期が1人、あとは先輩方です。主に配管などの図面を書く仕事をしています。それと、2年に一度ある大型の定期修理(定修)の時期には現場監督として応援に行くこともあります。
Q:設計の仕事の難しさはどのようなところですか?
豊田:一番は「正解がない」ということですね。例えば配管をどこに通すか。これって設計者によって全然違うんです。自分はここを通したい、あの人はあっちを通したい、というのがバラバラで。でも、どっちも間違いじゃない。それぞれに良いところがあるんです。
Q:正解がないというのは、どういう意味でしょう?
豊田:違う配管のルートを選んでも、どちらでも成立することが多々あります。自分は「このルートしかない」とワンパターンで決めてしまうのではなく、複数の選択肢を持てるようになりたいなと思っています。
Q:最終的に、どのルートで行くかはどうやって決まるんですか?
豊田:設計部としてA案とB案あったとしたら両方の案を持っていきます。そこから現場の人にも立ち会ってもらって「このルートで行きたいんだけど」と見てもらう。「こっちのほうがやりやすい」という意見をもらいながら、みんなで会議して決める感じですね。設計だけで完結するんじゃなくて、現場の声を聞きながら決めていくんです。

Q:これまでで一番印象に残っている仕事は何ですか?
豊田:一番初めに定修に行った時ですね。それまでは図面を書くだけだったんですけど、自分の書いた図面が実際に現場でどう使われるかを初めて見ました。現場監督として職人さんと一緒に仕事をする中で、「ああ、こうしたほうがもっとやりやすいんだ」という気づきがたくさんあって。
Q:具体的にはどのような気づきがありましたか?
豊田:例えば曲がりの数ですね。曲がりが多いと、その分溶接の箇所が増えるんです。あとは配管の区切り方。現場ではピースごとに持ち運ぶので、一気に長いものだと運びにくい。そういう「現場の気持ち」を考えるようになりました。図面の上だけでは分からないことが、現場に出て初めて見えてきたんです。
Q:職人さんから言われて印象的だった言葉はありますか?
豊田:「なんで配管をこんなとこ通すんや」って言われましたね。「なんでこのルートもあるのに、わざわざ配管をこっちを通すんや」と。その時に「ああ、そっちも行けるんだ」と気づいて。職人さんからすれば「工事がやりづらいじゃないか」という話なんですけど。逆に「ちょっと手間かかっても、こっちのほうが施工しやすい」というパターンもあったりととても勉強になりました。
Q:現場を経験することで何が変わりましたか?
豊田:施工性の観点が身についたと思います。図面を書くときに、1個のルートだけじゃなくて「こっちも通せるな」「こっちのほうが施工しやすいんじゃないか」と複数の選択肢が見えるようになりました。紙の上だけでは何も見えない。現場で実際の形状や雰囲気を見て、職人さんの声を聞いたことで成長できたと思います。

Q:入社後、どのように仕事を覚えていったんですか?
豊田:まず先輩に連れられて現場を回りました。寸法の測り方を教わって、戻ってきたら図面の読み方、書き方を教えてもらう。最初は先輩の図面を見ながら真似して書いて、それを見せてレビューしてもらう、という流れでしたね。
Q:いきなり1人で任されるわけではないんですね。
豊田:そうですね。最初は見ながら、真似しながらです。先輩に「このやり方でやるんだよ」と教わったことをベースにして、少しずつ自分でできることを増やしていく感じでした。
Q:自分なりのスタイルが出てきたのはいつ頃ですか?
豊田:結構早くて、2年目くらいからですね。「こういうやり方で」と言われたけど「自分のやり方で行きたい」と思ったことがあって。もちろん、設計のベースは教わったことなのですが、その中で「自分ならこうするな」というのが出てくるようになりました。
Q:チームの雰囲気はどうですか?
豊田:設計部は6人いるんですけど、良い意味で上下関係があまりないんですよね。先輩たちもフラットに、フランクに話しかけてきてくれるので。
Q:チームの課題はありますか?
豊田:どうしても設計という仕事上、それぞれが担当の仕事を進めている面はあります。チームというよりは個でやっている感じもあって、そこは今後の課題でチームワークをより高めていく必要があるかなとも思っています。
Q:若手でも意見を言いやすい環境ですか?
豊田:はい、仲がいいですね。風通しがいいというか、下の立場でも上の人に意見ができる。ちゃんと意見を聞いてくれるのがすごくいいところだと思います。
Q:会社全体としてはどうですか?
豊田:良い意味で自由だと思います。うちは個性豊かな人が多いんですけど、その個性が殺されていないんですよね。みんなラフに、フラットに喋っているので、接しやすいです。
Q:逆に、課題だと感じることはありますか?
豊田:人や仕事の流動性が少ないかなとは思います。仕事が属人的になりがちで、異動も少なかったりする。そうすると何かあった時に対応しにくかったり、変えなきゃいけないところがスピーディーに変えられなかったり。この規模の会社だと、複数のことができる体制が必要かなと感じています。

Q:最後に、今後入社される方へメッセージをお願いします。
豊田:人間関係で言うと、上下関係もいい意味でないので、最初から溶け込みやすい空気があると思います。そこは心配せずに入ってきてもらえるんじゃないかなと。あとはそれぞれの個性がある会社なので、そこが面白さでもありますね。